依頼人は60歳後半の妻、対象者は70歳前半の夫である
夫は定年退職後、バスと徒歩で行動をしている
自損事故を起こしてから、マイカーは運転しなくなった
歩くことにしてから身体はますます丈夫になったらしい

久しぶりにバスに乗り徒歩で尾行した、対象者は歩き慣れてて足早だった
バスの中ではずっと誰かとLINEをしていた
次の尾行時には真後ろに座ってLINEのやり取りを覗こうと思った

対象者はバスを降りるとATМを経由して〇〇コーヒーに入店した
対象者は外から見える席に座ったので、店外で張り込みをすることにした
30歳前半の女性が入店すると対象者の真ん前の席に座った
丁度〇〇時、この時間に待ち合わせだったのだろうと思った
見た目も釣り合わない怪しい関係でしかなかった
関係性を知りたかったので私も店内に入ることにした
対象者らの近くの席に座ることにして、遅めのモーニングセットを頼んだ

2人の会話を盗み聞きするためにイヤホン風の集音器を両耳にセットした
最近の集音器は優秀だ
余計な音を拾わないように専用のアプリから音声の聴こえ方をカスタマイズできる
周りの雑音は消され、イイ感じで2人の会話が聞こえてくる
初めは、大谷翔平、イトーヨーカドーの閉店、世間話をしていたが
突然、依頼人の声のトーンが下がった
『3年前とは違って今はお金が自由にならないし・・もうこんな歳だし・・』
『寂しいこと言わないでよ、もう少しイケるでしょ?』と女が言うと
『いや、、、もう無理だよ・・・』と対象者が言う
対象者は別れようとしているのに女は金の無心ばっかし、ジジが気の毒だった

浮気調査を行なうと稀に起こるものとして
援助交際??パパ活??どっち??というシチュエーションがあるのです
この日誌では性行為有りが援助交際、性行為無しをパパ活と呼ぶことにします

夫婦間にはお互いに貞操義務があり、これに反する行為が不貞行為である
不貞行為とは配偶者以外の者との性行為のことをいいます
食事やデートだけで性行為の無いパパ活は不貞行為とはみなされず
慰謝料を請求できる法的根拠がありません

ご依頼人である妻の調査の目的は慰謝料をもらって離婚することでした
妻は夫が浮気していることを知っていましたが
子どもたちが結婚するまで孫のためにも我慢してきたようです
このままだと慰謝料が貰えないので
早くラブホテルに行っちゃえーー!!と願った頃、対象者の声が本気のトーンになった

私は集音器から聞こえてくる声に集中した
『・・・これで終わり今日が最後だ』と対象者が言うと
『なに、、これ～』と軽いトーンで女が言う
私は、とっさにトイレに行くふりをして二人の間のテーブルの上を見ると
〇〇銀行の封筒が置いてあった
あ、、、あの時のATМだ
タイミングを見てトイレから戻ってくる時には封筒が無くなり女は紙にサインをしていた
間違いなく手切れ金、ドラマのようなシーンを初めて見た

まもなくすると2人は○○コーヒーを出て別々の方向に歩いて行った
すぐに口頭で報告をすると、しばらく様子を見るとのこと
ご依頼人の声は何気に嬉しそうなトーンだった

P.S 一般社団法人日本家族計画協会の掲載より
興味深いのはセックスに対する考え方の男女の違い「したい」と考えるシニア男性は
7～8割ですがシニア女性は2割弱～3割程度にとどまるそうです