妻2●から、夫2●の浮気調査の来社相談がありました
浮気相手とのＬＩＮＥのやり取りを、動画撮影したものを、停止させながら見せてくれました
やり取りの内容からすると、明らかに不貞行為をやらかしていました
それなのに「よーーし、バッチリ証拠を掴んで、ガッポリ慰謝料をいただこう!!」
とは、いかなかったのです(-_-;)
相談者は自分のことを妻、彼氏のことを夫と称しながら話していたので
法律上の夫婦だと思っていたのに、相談者は、半年弱の同棲生活を盾に
いや、、半年弱の同棲生活を根拠に自分たちは《事実婚》だと主張してきたのです
ちょっと変わった女性でした(-_-;)

事実婚となるためには、同居しているという事実の他に
《いずれは結婚する》というお互いの意志が必要なのです
同棲中の彼氏は「結婚はマダ考えていない」とのこと
「マダ」と言われているのですから、お互いに結婚の意思があったとはいえません
したがって、内縁関係は成立していません、法律家でない私でも断言できます
交際相手の、彼の浮気が許せないのは十分に理解できます
しかし、浮気によって離婚に至った夫婦のような高額な慰謝料の請求は難しいです
せいぜい、違約金として、ふたりの金銭感覚に合った、常識的な範囲で解決してください
とアドバイスしました(-_-;)

婚姻届を出すのが法律婚で、婚姻届を出さないのが事実婚
「事実婚」とは、お互いが婚姻の意思を持ち、夫婦同然に暮らしている
会社や友人に紹介するなど、外部の人達に夫婦同然であることを公表している
お互いの親族から夫婦同然に扱われている状態を指します
法律婚と同様に【貞操義務】【同居の義務】【扶養の義務】【生活費の分担義務】
2人の関係が解消した場合【財産分与など】は認められると考えられています

離婚したことのある人のことを「バツ1」「バツ2」「バツ・・」と称します
これは離婚すると戸籍にバツ印が付く時代があったからだといわれてます
事実婚を解消しても戸籍上の記録が残りません
そんな気楽さ??からでしようか
「事実婚」を選択するカップルが増えてきているようです
しかし、法律婚の妻には認められても、事実婚の妻には認められないモノがあります
たとえば、事実婚の妻は、事実婚の夫の法定相続人とはなりません
つまり、相続人として事実婚の夫の遺産をもらうことができません
ちなみに、事実婚の妻が財産を貰うためには、遺言書による遺贈、生前贈与
死因贈与などの処置をとる必要があります

又、法律婚の夫婦と同様に、配偶者以外の異性と性行為をしてはいけません
不貞行為を行ったのを知った配偶者は、慰謝料を請求することができます
しかし、事実婚の証明が困難だったり、不貞相手が事実婚を認識していなかったりすると
慰謝料の請求ができなくなることもあるので注意が必要です(-_-;)
色々な意味で、お気軽婚の事実婚の選択は慎重に行うべきだと思います

P.S
結婚や、婚約をしていない独身の男女が、特定の相手とのみ交際するのではなく
複数の女性又は男性と、同時期に性的関係を伴う交際をするということは
道義上非難される行為であることは別として、世の中に多くあることであり
そのようないわゆる《二股》が直ちに法的な違法行為になるということもできない
東京地裁平成21年8月24日

とネットに掲載されていました。ご参考までに