２年前の今頃でしょうか、夏も終わり風か涼しくなった頃です。
夜中の１時頃一本の電話がかかってきました女性の方で歳は５０歳くらいだった。

何やら自分の身の回りに異変が起こるということだった。
部屋は、台所、風呂場の他に居間と寝室で朝起きると
ここにあった物が別の場所へ移動しているというのです。
つまり台所にあった茶碗が居間に移動したり、風呂場にある石鹸が
寝室へと言った具合である。
彼女が言うには毎日のようにこの様なことが起こっているというのだ
そして彼女はここの部屋にはポルターガイストがいると断言する。

この様な話を３０分くらいした頃だっただろうか、いきなり奇声を発する。
"ヴギャー"と、まるで祟られた狐のような声だった。
私は電話越しに"大丈夫ですか?"と何度も叫ぶが応答もなく５分が過ぎて
冷静な声で彼女が言った。
もう何もかも怖くなったので調査してほしい今すぐ家に来てください!!

冗談じゃない、霊媒師でも呼べよーと思ったが、依頼者第一主義の私は
翌日８時に訪問することになった。

ピンポーン・ピポピポーン・何度も鳴らすが、なかなか出てこない。
やっと
玄関先に出てきた彼女の顔には目ヤニ、歯には煙草ヤニ、髪は伸ばしっぱなし
とんでもなく汚い女が出てきたそして第一声が、
"電話しましたっけー"
私はこの地点で精神病と断定した。
早いところ切り上げようと思いながらも居間に座った。
彼女は５冊の大学ノートを机の上に置いた、被害状況を写真に撮り説明書きを
入れて綴ってあるのだ。
確かに写真上では間違いなかったが・・・これがポルターかよー!!

○月○日．．．台所のきな粉が居間にある。
○月○日．．．シャンプーが台所に移動。
○月○日．．．靴下が枕元にワープ。などなど。
○月○日．．．買ったことのないゴミ袋３０束あり。

それより何より彼女の頭の中が心配だった。
延々と２時間彼女の話を聞き、依頼内容はこの部屋にカメラを取り付け
誰かを泊まり込みさせてほしいと言うことだった。
調査費用を提示すると彼女はおもむろにぱるるの郵便通帳を開きこれしかないんですけど・・・残金￥６８０１−
喉も渇き、腰も痛く、精神的ダメージと時給を返せー!!と叫びたい気持ちでいっぱい。

￥も縁も無い女性だったが、こうやってボランティアで話を聞いてもらった彼女は
気力改善になったであろう。

いずれにしても、精神病者にかかわると後が怖いのでこれで良かったと考えている。