旧統一教会への解散命令、請求の方針 10月中旬で調整 過料も検討
世界平和統一家庭連合(旧統一教会)をめぐって政府は、宗教法人法の「報告徴収・質問権」に基づく調査を終え、10月中旬にも教団への解散命令を東京地裁に請求する方向で調整に入った。政府関係者への取材でわかった。これまでの質問権行使に対して回答のない項目が多数あったとして、同法の罰則を適用して教団側に過料を科すよう、9月上旬に地裁に申し立てる方針であることも判明した。
岸田文雄首相は、請求に踏み切ることで政権として教団側と決別する姿勢を示したい考えだ。政権内での調整によっては、請求の時期が変わる可能性もある。
質問権による調査は、昨年7月に安倍晋三元首相が殺害された銃撃事件を機に、教団をめぐる高額献金問題が改めて注目されたことで始まった。教団と自民党議員の関係に批判が集まっていた昨年10月、首相が質問権行使に向けた手続きを進める考えを国会で表明。文部科学省が昨年11月から今年7月まで7回にわたって行使し、献金▽予算・決算・財産▽組織運営などについて報告を求めてきた。
直近の7回目の行使への回答は8月下旬に届いた。政府関係者によると、これで質問権の行使を終えるという。
一方、質問への回答がない項目が多数あったとして、9月上旬に教団の代表役員に過料を科すよう地裁に申し立てる方向で検討している。有識者で構成される宗教法人審議会を開いたうえで決定するという。過料は同法が規定する罰則で、上限は10万円。質問権に関して過料を求めた事例はこれまでない。
さらに政府は、この申し立ての後、10月中旬にも解散命令を請求する方向で検討。改めて同審議会を開いた後に請求する日程で調整しているという |