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トリチウムの生成
三重水素(トリチウム)は原子炉においては、炉内の重水(HDO)の二重水素(D)が中性子捕獲することでトリチウム水(HTO)の形で生成される。
ほかには、ウラン235 (235U) 或いはプルトニウム239 (239Pu) が中性子と反応した時に起こる三体核分裂によっても生じる。また、制御棒に使用されるホウ素同位体 10B が、高速中性子を捕獲することでも生じる。
生成量は原子炉ごとに異なるとされるが、一年間の運転で加圧水型軽水炉内には約200兆ベクレル (2 × 1014 Bq)、沸騰水型軽水炉では約20兆ベクレル (2 × 1013 Bq) が蓄積する[24]。しかしながら、トリチウム水(HTO)は、化学的性質が水(H2O, HHO)とほぼ同一であるため、化学的には水とトリチウム水を分離することはできない[注 13]。ただし物理的な同位体効果を利用した分離技術は確立されており[注 14]、トリチウム含有水の蒸留や電気分解、同位体交換法など、いくつか分離方法が存在する[26][27]。しかしそれでも大量かつ極めて低濃度の水からトリチウム水だけ、分離してまとまった量を回収することはコスト的に非常に困難である[注 15][注 16]。
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