老年からの依頼したいとの電話があった
車をバリバリ運転する75歳のおばあちゃん
三沢の大手スーパーの駐車場で待ち合わせ
車輌内で相談、契約を交わすことにした

定年後、年金暮らしになった2人、今年80歳になるおじいちゃんの行動が
最近、怪しい。と、いうことだった

おじいちゃんの最大の友は、2年前に飼ったメスのワンちゃんで
何処に行くのも一緒、その頃から、2人の会話が少なくなる
寂しさを感じたおばあちゃんは１年前にオスのワンちゃんを飼う
契約時にも一緒だった

犬ではあるがお互いに、彼氏と彼女ができたわけだ
犬を飼ってから、ますますお互いに自由人になる
お出掛けもワンちゃんを連れて、2人は別行動をとるようになった

最近、おじいちゃんは昼食の時間に車輌でワンちゃんと
3時間ほど自宅を空けるようになったそうだ
おばあちゃんは【女がデキたに違いない】【相手は近所の女】と思い始める
対象女性は、散歩している時に出会う、散歩仲間だという

今も関東にある某探偵社の40年前のペラペラの１枚の30万円の契約書と
Ｂ５サイズで綴られた６ページほどの手書きの報告書をみせられた
当時、40歳だったおじいちゃんが浮気をしたときの調査報告書である
時代を感じた、今やパソコンでポンポン作れるのに、手書きで縦の
報告書、ある意味良い勉強になった
そして相手の女性から、もう二度と会わないという
誓約内容と慰謝料50万円を支払うとの和解書も見せて貰った
おばあちゃんは、この浮気のことは、今でも根に持っていた
【今でも、許せない。悔しい・・】と、飽きるくらい何度も話していた
そして写真をみせてもらった。とても80歳には見えない
おじいちゃんは若い頃、相当モテたらしい

調査は、散歩中の尾行をして仲のいい散歩仲間の特定と
ワンちゃんと出かけたときの行き先の尾行である
朝の8時、夕方の４時には定時に自宅を出るとのこと
朝晩の散歩・・幸せなワンちゃんだ

おじいちゃんと接触させるために知人から、たまたま同種の
ワンちゃんをレンタルすることができた
特別女性調査員に、散歩をさせる
声をかけられるように、おじいちゃんの散歩ルートとは
反対方向に散歩させた
初日から早速、対面してきたおじいちゃんが声をかけてきた
【可愛い犬ですね・・】【何歳・・】などなど・・
同種のおかげで、話も弾んだようだ

調査、４日目、毎日のように声をかけてくる、おじいちゃん
昔は相当のナンパ師だったに違いない
すると、おじいちゃんが話を切り出してきた
【楽しいところがあるんですよ・・・一緒にいきませんか】
調査員がその場所を問いただすと
【行ってからのお楽しみです・・】と自慢げに言う
当然、ミッションである。調査員は、おじいちゃんの誘いに乗り
待ち合わせと時間を告げられる
【明日、午前１１時に体育館の駐車場で・・】待ち合わせが決定した
調査犬を連れて翌日、待ち合わせ場所へ到着
調査犬と調査員はおじいちゃんの車輌へ乗り込んだ

40分後、たどり着いたのは八戸のドックカフェだった

丁度その頃、おばあちゃんから一本の電話が鳴る
【女に会いに行きましたよ・・証拠しっかり頼みます】と

カフェで女性調査員がおじいちゃんと話し込んだ内容は
【はじめて、人を連れてきました】【少し前にこの場所知ってね・・】
【ここに居ると安らぐんですよ】
私情も聞けた【妻が最近薄ら呆けで・・】昔の【浮気したこと】を
クドクド、口にするようになって・・・
【家に居るとうるさくてね・・・週に2度1人で来てるんです・・・】

あーーなるほど・・調査の行方がみえた瞬間である
その後の調査で、確かに、おじいちゃんは、ひとりでカフェに来ては
ランチを楽しみ帰宅していた
調査の終盤に、特別調査員と調査犬が姿をくらます・・
おじいちゃん、今頃、寂しがっているだろうか・・元気でね。