ある夫婦が事務所にやってきた
今、娘が2ヶ月前から、付き合っている男性の素行調査である
娘は、21歳会社員。男性は自称42歳で自営業。バツ2らしい

今時、バツ1と言われても大したことはないが、バツ2ともなれば
親も心配であろう。しかも親とは3つ年下。年の差婚が流行っているが
自分の子供が・・ともなれば大問題である
親の真の目的は、2人が別れてくれること。他に遊び女がいてくれれば
娘も諦めてくれるだろう。と、いうことだった

調査情報は、名字と自営をしている場所と乗っている車輌だけであった
先ずは、業務が終わるのを待ち、尾行を開始する。向かった先は
1円パチンコ店であった。男性は閉店ギリギリまで遊技をする
そして自宅へと向かう。尾行は順調に進み、車輌がある駐車場に到着する
対象男性は、カバンを片手に、少し歩いて●●●●●マンションへ到着
暗証番号を押し、自動ドアが開くとエレベーターで消えていってしまった
マンションへの帰宅は、表札も住宅地図も載っていないから厄介な場所である

3日ほどこんな状態の調査が続いたが、やっと転機がやってきた
金曜日の10時くらいに、男性が女性とマンションから出てきたのである
その際に郵便受けを覗き込んでくれたので号室が判明する
各、車輌に乗り込む。女性の車輌を追跡することにした
すると、女性は●●クリニックへ、産婦人科である
女性調査員と待合室へ潜入。受付が「●●さぁーん」と女性の名字を呼ぶ
男性と同じ名字であった。もしや・・・嫌な予感がする
しかも、よーく観るとお腹が大きいではないか。女性は妊娠しているようだった

私は、とっさに女性調査員に指示をだす。【仲良し聞き込み作戦】である
めでたい話をすればきっと話に乗ってくるに違いない・・・

結果、妊婦と男性は1年前から立派な夫婦であることが判明したのである
女性は28歳で初産。男性にはすでに3度目の結婚済みだったのだ
つまり、依頼人の娘さんはすっかり騙され、遊ばれていたのである

早速、依頼人へ報告。嬉しいやら悲しいやら、複雑な顔をして報告書を
眺める。ちくしょう・・・と、父親がポッリと一言。・・・でも早期発見で
良かったよ、ありがとう。と、お礼を言って夫婦で事務所を後にした。
その後、ご両親が男性を成敗したかどうかは定かではない