あけまして、元旦に転送された着信音が鳴る
画面を見ると、公衆電話からでした
非通知も含めて、身元を明らかにしてくれない
依頼人からの調査は、ろくでないことが多い

周りの雑音が聞こえたので
イトーヨーカドーかラピアからだったろう
サワサワした声で
「私、狙われてるんです。どうしたらいいか、わからなくて・・・
そちらの事務所まで、近くなので今から相談しにいっていいですか」

(-_-;)流石に元旦だし、3日以降に改めて
電話をくれるようにお願いして切りました

翌日の2日、番号通知で、着信音が鳴った
昨日の女性からだろうと思いながら電話を出ると
やっぱり、サワサワした声で
「私、限界がきてるので、夫と相談に行っていいですか」とのこと
今回は番号を通知してくれたし、夫と一緒であれば
まともだろうと、来社してもらうことにした

依頼人は、夜中に眠れないくらいに
ゴヤゴヤと騒ぎ声が聞こえてくるんだとか
でも、何を言っているのかは、わからない
同じ部屋に寝ている夫の耳には聞こえてこない
夫が運転する助手席に乗るときは、必ず窓を閉める
ゴヤゴヤと騒ぎ声が聞こえてくるからだ

総合失調症で幻聴が聞こえているのだと思われる
本来であれば、出向く先は、探偵ではなく心療内科・精神科だ
ただ、奥さんはどうしても納得しないため
夫が探偵を勧めた
結果次第では、病院に行ってくれることを妻と約束して
依頼することになった

翌日の3日、着信音が鳴った
画面を見ると、公衆電話からでした
第一声が「これから、私どうすればいいですか」だった
私は「昨日依頼を受けたばかりなので、今日下見調査をするところです」
と、答えると「私、まだ依頼してませんよ」

・・・うっそーー、大チョンボ(-_-;)でした
元旦の電話の人と2日の依頼人は同一人物と思い込んでいた

面会前は、苗字は聞かないことにしているので
どちらの地域からお電話ですか。と聞くようにしているのだが
どちらも八戸市●■▲丁目までが同じだったのです(-_-;)

さっそく、事務所に来てもらおうと思ったのですが
誰かに狙われているし、事務所は危険だから
誰も来ないところがいいと言いながらも
指定された場所は、ドラックストアの駐車場でした

依頼人の後部座席に乗って相談中は
ひたすらビクビクしてました
特に黒くて大きな車が近寄ってくるのが怖いのだそうだ
幻聴はなかったが
体に影響する見えない電波が身体に入り込み・・・と言ってました
だから、携帯電話を持っていても使用しないのだとか
総合失調症で被害妄想が強いのだと思われる

契約中、手付金を払うと差し出したので、素直にいただいた
残金は後日●●で●時にお支払いすることになった

後日、待ち合わせ時間から15分が過ぎました
嫌な予感がする中、電話が鳴りました

一番お世話になりたくないところ
八戸警察署からの電話、予感的中です(-_-;)

警「もしもし、●さんと、待ち合わせ中の探偵さんですか・・」
探「はい」
警「●さんと、電話、かわりますね」
探「はい」
依「キャンセルできますか・・お金は、必ず払いますので」
探「調査料金を払うくらいなら、調査したらどうですか」
依「結果は出ないし、無駄だと思うので・・・」
探「だったら、手付金を頂いたので、契約解除でいいですよ・・」
依「それでお願いします」

依頼人は、離婚後、両親の死、子供の死
それからずっと独り暮らし
この症状がでて、今は無職の5●歳
これでいいのか・・このまま電話を切ったら
ズンドコに堕ちていくのがみえたので
世話焼きの口がスベってしまいました(-_-;)

「私、医師ではありませんので、こんなことを言って
気分悪くすると思いますが
総合失調症による症状が出ているのだと思います
薬を飲んで、精神療法を受けて、リハビリをすれば
きっと回復しますよ
近年は、薬物療法とリハビリテーションの進歩によって
社会復帰できる、可能性が高くなってきていると聞きます
一度診察を受けてみてください」

はい。とだけ言われて電話をきられましたが
どう思われようと、伝えられてよかったかな

探偵の使命は調査をするだけではありません
ご依頼人の未来を切り開くことだワン(^▽^)/

調査のご依頼は使命感たっぷりの
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